結成20周年のアニバーサリー・イヤーに放つ、高速スカ・パンクから歌モノまで詰め込みライヴ感を閉じ込めた大ボリュームのベスト盤!
2020年6月3日
高速スカ・パンク・バンド OVER LIMITが、今年結成20周年のアニバーサリー・イヤーを迎える。今回はこれまでの歩みを振り返り、これから先の道を指し示すベスト盤『THE BEST』を発表。スカ・パンクから歌モノまで、英語も日本語も自在に使いこなす稀有なバンド・スタイルをギュッと凝縮した1枚に仕上がっている。今作のテーマはずばり”ライヴ”で、楽曲セレクトや作品トータルの流れまで計算された聴き応え十分のベスト盤と言えるだろう。1曲まるごと再録した楽曲や、一部録り直した楽曲もあり、現在のバンド感も味わえる今作について、MASAYA、GUSSANのふたりに話を訊いた。
-今作は結成20周年を記念したベスト盤になりますね。
GUSSAN:集大成みたいな感じですね。今年は年間通して、3枚リリースしたいと思ってたんですよ。いままで年間3枚のリリースはやったことがなかったし、無茶してみたいなと。5、7月とシングル(会場限定盤『The biggest summer in my life / senritsu』、全国流通盤『Calling me』)を出して、全部新曲だったんですけど、今回は期待を裏切って、フル・アルバムじゃなくて、ベストを出そうと思ったんです。
-このタイミングで改めて自己紹介したい気持ちも?
MASAYA:自分たちの推し曲を入れているから、この1枚でOVER LIMITがどんなバンドかわかってもらえるかなと。新しく聴く人にも、昔の曲にも触れてほしいですからね。
-ベスト盤はバンドによって絶対出したくないという人もいますが。
MASAYA:全然大丈夫です(笑)!
GUSSAN:廃盤で、欲しいと言われても出せない作品もあったから、いい機会かなと。
-今作を作るうえで考えていたことはありますか?
MASAYA:TAKEさん(レーベル代表/SHACHI)にライヴでやらない曲を入れない方がいいと言われて。じゃあ、ライヴでガンガンやっていく曲を1枚にまとめようと。曲数もほんまはもっとたくさん入れたかったけど、”そんなにいらなくない?”と言われて、たしかにそうやなって思ってやめました。
-ライヴというテーマがあったから、選曲はやりやすかった?
MASAYA:そうですね。どれもライヴでやる曲ばかりだし、あと、今後ライヴでやろうと思う曲も入れてます。
-過去を振り返りつつ、未来に向けた内容なんですね。
GUSSAN:そうですね。今回はバラード曲がないし、一緒に手を上げて、ノれる曲ばかりですね。アップテンポのベストになってるかなと。
MASAYA:歌モノの曲でも、一緒に歌えたり、ノれるものを収録してます。がっつりスカ・パンクしてる曲と交ぜても、あまり違和感もなかったし。前シングル(『Calling me』)でも、英語と日本語を2曲ずつ入れても、OVER LIMITや! と思えたから。自信を持って、ベストでもそういう交ぜ方をしました。21曲あるけど、バーッと聴けるかなと。
-全部録り直した曲は「青春切符」、「蝉」、「さよなラビット」の3曲ですよね?
MASAYA:これは大人の事情で、前は違うところから出していたので録り直すことになりました。歌モノはほんまに難しかったです。ノリで録れないし、年齢を重ねるとしゃがれ声になるので、ピッチも取りにくくて(笑)。でも、昔じゃ出せなかった歌声を出せたと思います。歌声にニュアンスも出せるようになったから。
GUSSAN:当初録ったときはギターを何本も重ねていたけど、今回はよりライヴに近づけるために、あえて省いてシンプルにしたので聴きやすくなったと思います。どこを聴かせたいのかが明確になりましたね。
-全部録り直した曲で一番変わったのは?
MASAYA:「蝉」ですね。歌もブツ切りに録っていたけど、今回はほぼ一発録りに近い感じでやったんですよ。
GUSSAN:「青春切符」のドラム・パートは今年1月に新しく入ったペーター(Dr/Cho)が彼なりに考えたフィルを入れたので、リアレンジした部分もあります。
MASAYA:時間があれば、本当は全曲録り直したかったんですけどね(笑)。今も47都道府県ツアー(”OVER LIMIT 47都道府県ツアー”)中だから、時間もなくて。
-「さよなラビット」もすごくいい曲ですね。曲名のネーミング・センスも世代が表れてます。
GUSSAN:”さよなラッキョ”みたいな(笑)。
MASAYA:マジメな歌なんですけど、そこはギャップですね。
GUSSAN:キャッチーだし、シンガロングできる曲かなと。ほかのアルバムにも入れてなかった曲だけど、ライヴでは最近ずっとやってますからね。ケミカル?リアクションというアイドルがカバーしてくれて、それで僕らの名前もアイドル界に広がって、アイドル・オタクのお客さんから、”あの曲をやってほしい!”とか、”音源が欲しい!”とかいう声を貰うようになりました。廃盤で手に入れることができなかった曲なので、再録という形ですが新たに手に入れることが可能になって嬉しいです。ちなみにそのケミカル?リアクションも12月7日に「カメレオン」、「さよなラビット」のカバーCD(『カメレオン』)をリリースするんですよ。お互いのフィールドを越えて、いい作用が起きればいいなと。