結成20周年のアニバーサリー・イヤーに放つ、高速スカ・パンクから歌モノまで詰め込みライヴ感を閉じ込めた大ボリュームのベスト盤!
2020年6月3日
-今後のライヴでやろうと思っている曲というのは?
MASAYA:それが「青春切符」、「蝉」なんですよ。「さよなラビット」と同じで、廃盤の作品に入っていた曲ですからね。今回聴いてもらって、一緒に歌ってもらえたらいいなと。なので、廃盤の作品からその3曲を選びました。
-一部録り直した曲は「meaningful love」、「Dancehall Punk」ですよね?
GUSSAN:「meaningful love」のベースに関しては当時はスラップだったんですよ。ライヴも全然違う感じなので、もう一度録り直したくて。
MASAYA:今のベースはピック弾きなので、そのフレーズを変えたんですよ。
-”アタタタッ”と叫んでいるパートも面白いですね。
MASAYA:それは”北斗の拳”です(笑)。自分が嫌な人間に対して、攻撃している曲なんですよ。
-今作の中でも遊び心があり、いいフックになってますね。
MASAYA:3拍子だし、ライヴでも特に盛り上がる曲ですからね。
GUSSAN:「Dancehall Punk」も余計な音を入れすぎていたから、もう少しシンプルにした方が気持ちいいかなと。それは数年前から思ってました。
-なるほど。作品トータルで重視したポイントはありますか?
GUSSAN:全部ミックス、マスタリングをやり直したいなと思ったんですよ。昔と今の音源を比べると、昔の音源はギターの歪みが前に出すぎたり、足りなかったりしたから、今の解釈でやってもらいたくて。エンジニアさんは今の時代に合った音にしてくれるので、新しい音源のつもりでミックスしてもらいました。ライヴにより近い感じを出してもらいたかったんです。今回完成したものを聴いたら、音もクリアになったし、エンジニアさんと一緒にいい仕上がりにできたと思います。
MASAYA:OVER LIMITらしさをこの1枚で感じられる作品になったと思います。自信を持って出せる1枚ですね。バラードとかを入れてしまうと、また雰囲気が変わると思うので、なるべく凸凹感が出ないように意識しました。
GUSSAN:あと、MASAYAがすべて作詞作曲しているので、MASAYA節があるから、散らばって聴こえないのかなと。そういう意味で統一感もあると思います。
MASAYA:ただ、曲順を決めるのが難しかったですね。自分はもういいやと思って……みんなに委ねようと。最終的には自分も意見は言ったんですけどね(笑)。最初はどれがいい曲なのかわからなくて。
-自分の曲はなかなか客観視できないですよね。
MASAYA:そうなんですよ。自分の中でこの曲はいいな、とランクづけはできるけど。どれもかわいい曲ですからね。
GUSSAN:残りのふたりのメンバー(JUN/Ba/Cho、ペーター)は最近入ったので、まだ客観視できるかなと思って”君らふたりに任せるわ!”と言ったんですよ。でもそのメンバーふたりもわからないと言うんで。
MASAYA:2曲あって、どっちがいい? という選択はふたりに任せました。あと、この曲を2曲目に持っていきたいけど、どう思う? って。僕は21曲のワンマン・ライヴをイメージしました。勢いを止めないような流れにしたいなと。
-2曲目に「青春切符」のような歌モノがくる流れがいいですね。OVER LIMITらしいなと思いました。
MASAYA:僕は「蝉」かなと思ったけど、”絶対「青春切符」の方がいい”と(GUSSANから)言われて。
GUSSAN:今回は曲数が多いから、真ん中や、後ろあたりにそういう歌モノの曲を入れたら、印象がボケるかなと思ったんですよ。試聴したときに”なんやこの曲!”って思ってもらえたら発見があっていいかなと。
-1、2曲目を聴いただけで、OVER LIMITというバンドの全体像がわかりますもんね。ほかにこだわったところはありますか?
MASAYA:歌で始まるような曲がいいなと思って。パッと聴いて、歌と演奏が同時に耳に入ってくると、バンドの絵が浮かんでくるじゃないですか。今回は21曲もあるんで、1曲目の「I say it be O.K.」を歌と演奏で始まる曲にして。あと、最後を締めくくる「カメレオン」から「T.F」への流れは、あえて歌モノのあとに激しい曲がくるようにしました。ライヴでもたまにこれで終わりますよと言ったあとに、ショート・チューンで締めることもありますからね。
-最後に俺たちスカ・パンク・バンドですよ、と印象づける締めくくりですね。これはライヴ経験を積んだバンドじゃないと出ないアイディアだなと思います。そして、今作の中に高速スカと歌モノの曲が交ざり合っていることで、両方の魅力が際立って聴こえます。
MASAYA:歌モノは俺がJ-POPをずっと聴いていたから、それが出ているのかなと思いますね。曲調や歌詞にもドラマ性がないと、日本語でやっている意味もないし、それはスカ・パンクでは出せないものだから。
GUSSAN:逆にショート・チューンの美学みたいなものがあって、もう1回サビが欲しいけど、ここで終わり! ってスパッと終わるっていう。